父娘の関係性と性のトラウマ/ディスカッション

父娘、母娘の関係

父娘の関係、母娘の関係には、根深い心理があります。父息子、母息子も同様ですが、男性は比較的表面に表さないこと、そして男性性社会から女性性の社会へと変ろうとしている今、問題が表面化しやすいのは父娘と母娘の関係です。私たちの内面には”隠れた性”があります。本質的には、人間は両性具有であったため、男女両方の性質を持っています。しかしながら女の子は女らしく、男の子は男らしく育てられ、成人になる頃には最大限にアンバランスな心の状態で社会人デビューします。

 

内なる異性

1800年代の心理学者カール・G・ユングは無意識の下層階に集合無意識があると提唱しました。それは社会的価値観でつくられた仮面のようなものです。女性の深層心理には男性性があり、男性の深層心理には女性性があります。それは親も子も同様にあります。そして内なる異性(男性性及び女性性)には、それぞれ肯定的な側面と否定的な側面があり、問題を起こすのは否定的な側面なのです。よって、肯定的に意見交換しているときは非常に良好な関係ですが、相手を否定し始めるととても厄介なことになっていきます。

 

ジェネレーションギャップ

しかしながらそれ以前に、父娘の間にはジェネレーションギャップがあることに気づくべきでしょう。父親は父親の生きて来た時代に従って意見をします。しかしながら多くの親は、それが時代錯誤であることに気づいていません。もし子供が素直なよい子で親の言うことに忠実に従うならば、その子は時代遅れの大人になり、周囲との温度差で生きづらい人生を歩むことになるでしょう。

 

親を許す

過去の時代が間違っているとか、今の時代の価値観が正しいとか、そういうことではありません。ただ、違う時代を生きているのです。現代人の私たちがモノに苦労せず恵まれた生活をしているのは、戦後に自分を後回しにして家族を犠牲にして、社会のためにがむしゃらに働いてくれた方々がいるおかげです。ならば、時代の違いを認めつつ「うんうん」とうなづいてあげたらいかがでしょう?なぜなら親は、今さら人生をやり直すことはできないからです。そう、私たちは悟りの道へと導かれているのです。

 

 

 

 

 

 

 
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この記事を書いた人

 

 

 
看取り対話師協会主宰
一般社団法人日本ナースオーブ
代表理事/せのようこ
看護師経験30年

認知科学・コミュニケーションの講師を15年務める。より良いお看取りを日本に広めるため、経験10年以上の看護師チームで保険外訪問看護サービスを開始。
代表よりご挨拶

 

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以下の動画は看取り対話師研修用ページ(2023.12.14)です
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