お看取りに関わる看護師の概念”在るがまま”/心理プログラムBeing①

お看取りは、言葉ではないコミュニケーション

私たち人間には、言葉以上のコミュニケーションがあります。お看取りの時期になると言葉数が少なくなるため、とくに言葉ではないコミュニケーションが重要になってきます。たとえば、他人である夫婦が長年一緒に過ごすことにより、だんだんと似て来るという”似たもの夫婦”がありますが、同じようなものと思っていただいて大丈夫かと思います。同じ空間で共に時間を過ごすことで、身体の”波長”が合い、体感が優位になってきます。

もし最期の時を迎えようとしている人の横に、「頑張っている看護師」や「時間に追われている看護師」がいたらどうなるでしょう? ご本人は体感的にその波長を受け取り、安心して過ごすことができなくなります。看護師は専門職だからこそ与える影響が大きいため、普段の”在り方”が大切です。

 

“在るがまま”の状態とは?

お看取りをするとき、そばにいる看護師が、ただ在るがままでいることが、ご本人にとって穏やかな時間につながります。もしかすると、私たちが胎児のとき”在るがまま”だったかもしれません。しかしながら私たちは生まれてしまった以上、胎児の状態でいることはできません。ではどうすれば…?

看取り対話師協会では、一つの解として「身体の仕組み」に従うことが”在るがまま”に最も近いのではないかと考察しています。身体は時を刻みながら変化・成長していきますが、身体の仕組みは生まれ持ったものを維持しています。看護学校や病院では身体の機能しか学びませんが、身体は宇宙そのものであり、大いなる意味を持っています。

 

お看取りとは

人が死ぬということは、無意味なことではないと考察します。残される人にとっては、おそらく代え難い経験になります。また、逝く人にとっては終わりの始まり。”新たな人生のスタート”となるのです。

死は今生を終えて、物質世界から本質の世界に還る旅。生命の誕生にもっとも近づくのが死にゆく瞬間なのでしょう。よって私たちは、親から授かった身体本来の仕組みに目覚めることが、看取りの状態の人にもっとも寄り添う方法ではないかと思います。

 

看取り対話師協会のコンセプト

当協会の方向性として『ホメオスタシス・システム』があります。当協会は上下関係ではなく、共同創造の仕組みを創っています。身体は約60兆個の細胞が恒常性を維持しており、互いが互いを思いやり、補い合い、常にバランスをとって調和しているのです。この素晴らしい身体の仕組みに従うことが、ひとりひとり能力を発揮しつつ、全体が育っていくプロセスと言えます。

 

 

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この記事を書いた人

 

 

 
看取り対話師協会主宰
一般社団法人日本ナースオーブ
代表理事/せのようこ
看護師経験30年

認知科学・コミュニケーションの講師を15年務める。より良いお看取りを日本に広めるため、経験10年以上の看護師チームで保険外訪問看護サービスを開始。
代表よりご挨拶

 

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