看取り対話師研修は情報量が多いです。そのほとんどが「自分を知るための学び」となっています。自分自身を学ぶということはとても尊いこと。まず自分を知り、自分を通して相手を知り、そして社会を知っていきます。たいていの人は、自分を置き去りにして相手に事の原因を置きますが、それでは誰も愛することができないのです。自分自身を知らない人、自分自身を省みない人、謙虚さのない人は、愛を学ぶのは難しいと感じます。
自分自身を理解した人のみ、相手を理解することができます。それまで自分に向けていたエネルギーのベクトルを外側に向けましょう。傷ついた自分がまだ居るかもしれませんが、その傷は自分がつけたものではないことを理解し、ケアする方法を学習しました。ならば、まず愛を差し出す勇気を持ちましょう。”誰かのために”と懸命に走り続けていれば、ふと振り返ったとき、自分自身が満たされていることに気づきます。人を愛するということは、自分を愛することなのです。
看護師は国家資格です。自分を超え、特定の相手を越えて、社会に目を向けましょう。私たちには多くのやり残しがあります。もしあなたが目に見える範囲で日常生活を送っているならば、さほど問題を感じないかもしれません。するとどうしても「わたし」が主語になっていくのです。ですが実際は、介護殺人や介護自殺という悲しい出来事が8日に1回は起こっています。私たちに救えるはずの命です。
介護による疲弊や犠牲は、”在宅”という表から見えない場所で積み重なっていきます。そこに目を向けることができるのは、その世界を予測できる人だけです。社会から見れば何故?!と思うようなことも、私たち看護師には何故それが起こるのかわかりますね。見える部分に関わること以上に、見えない部分に関わることは大切です。
すべてにおいて対極があります。すべてにおいて表と裏があることを学習してきました。両極を俯瞰してバランスをとっていくこと、それが調和であり愛ではないでしょうか。
この記事を書いた人
看取り対話師協会主宰
一般社団法人日本ナースオーブ
代表理事/せのようこ
看護師経験30年
認知科学・コミュニケーションの講師を15年務める。より良いお看取りを日本に広めるため、経験10年以上の看護師チームで保険外訪問看護サービスを開始。
代表よりご挨拶
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