人間関係のことで悩んでいるとき、解決できない問題に直面しているとき、絶対的に欠けていることがあります。この研修では認知科学により『メタ認知』と言われている視点です。『俯瞰』と言った方がわかりやすいでしょうか?鳥が空を飛んでいるとき、全体を眺めている視点です。微細な微細な意識状態の違いですが、人生においてもっとも重要であると言えます。
仏教では、この視点が無い状態を『無明』といい、何も見えていないことを意味します。そしてこの視点を持つ人を『光明』といい、ようやく光が射してきたことを意味します。
ある社長が事業に失敗した話をします。30億円の損失が生じて「もうダメだ」「もう終わりだ」と言って自殺したという話を聞いたことがあります。ですがその社長には、もともと60億円の資産があり、そのうちの半分の30億円を失ったということでした。その話を聞いて、あなたはどう思いますか?
えー!まだ30億円あるのに?!と思いますね。そうなんです。ただ、そう思うのは第三者だからです。当の本人はそうは思えないんですね。なぜなら俯瞰する視点がないためです。俯瞰は物事を『第三者』として観る視点です。
日本は年間の自殺者が約3万人です。介護においても介護自殺や介護殺人という、起こってほしくないことが8日に1件起こっています。しかしながら『メタ視点』があれば、一瞬で私たちは第三者の視点が持てるため、自殺する必要がないことがわかります。無明のときには決して見えなかった、問題解決の方法が観えて来ます。
介護は個人の負担が増えて問題が山積しており、医療や行政も手に負えなくなってきています。ということは、個人が解決を糸口を見つけ出さねばならず、そこに関わる専門職すべての人に『メタ認知』が必要になってきています。この研修で最重要の項目と言っても過言ではありません。
メタ認知を獲得するために「今ここ」の感覚をつかむトレーニングが必要です。情報化時代になり時間が加速している中、「今を生きろ」「瞬で動け」など言われており、「今ここ」の感覚は、仏教では『刹那』といい、神道では『中今』と表現しています。ですが「今」という感覚をつかむのがオンライン講座では難しいため、当研修ではリアル講座も受講していただいています。人生の質を変える学習になるだろうと思います。
この記事を書いた人
看取り対話師協会主宰
一般社団法人日本ナースオーブ
代表理事/せのようこ
看護師経験30年
認知科学・コミュニケーションの講師を15年務める。より良いお看取りを日本に広めるため、経験10年以上の看護師チームで保険外訪問看護サービスを開始。
代表よりご挨拶
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